はじめて暗いと感じたのは

本を読んでいて、ふと思い出したので、せっかくだから書いておく。

高校の時、部活動の溜まり場に使える小部屋があった。ほぼ3年生しか入れない。その何月ごろだったか、部屋で1人で資料を眺めていると、KN君が入ってきた。そして「なんか暗いなあ」と言った。私は暗いかどうかということに気づいていなかったので、そう言われてはじめて暗いことに気がついた。それと同時に、明るいか暗いかということを自分で感じる、ということができるということにも、はじめて気づいた。それまでの私は、暗いときには明かりをつける、ということに不自由だったわけではない。でも自分の感覚として、暗さというものを感じ取ってはいなかったと思う。暗ければあかりをつける、というのは自動的なもの、反射的なもので、自分の感覚を意識的には通過していなかったと思う。高校3年のこのとき、はじめて自分で感じることができて、その結果、行動を生み出すことができる、ということに気づいた。ほかにも、寒い・暑いなども同じことがいえる。私はそういう人だった。それを思い出したので、忘れないうちに書き留めておく。